司なんかに負けてたまるか。


司の腕を力一杯払ったつもりが、ちょっと、今のは何。


私のファーストキスが奪われた。


あり得ない、許せない。



力の限り手を振り上げ、司の頬を叩いた。


「痛いなぁ、何すんだよ。」



自分が何したのか分からないの、このバカ野郎、変態男。



悔しいから、絶対泣かない。



「下手くそなキス。」



亮太がクスクス笑った。



「夢子姫に一本取られたね。夢子姫には俺が本当のキスを教えてやろうか。」



今度は亮太に迫られてるけど。



なんなのこの男たちは。


お母さん、やっぱり育て方間違ってます。