最初郁也は、俺を見ると逃げた。





司から郁也が両親に虐待されている事を聞かされ、俺は上手く郁也と関われなかった。





郁也も俺には近づこうとしない。




俺は郁也の存在を忘れていたのに、愛子ママに郁也の面倒を押し付けられた。





どう関わっていいのか、分からないし、郁也が俺を見る目が怖い。





郁也はいつも人を睨みつけている。





愛子ママとは笑って話すくせに、なんなんだよ。





頭に来るから、郁也を睨みつけてやった。





「おまえなんか嫌いだ!」





嫌いで結構、俺もおまえの面倒なんて見ないぞ。




「おまえひねくれてるから、親に虐待されんだよ。」




郁也は目に一杯涙を溜めて、俺を睨みつけた。





チェ、なんだよ、俺が虐めたみたいじゃないか。





郁也はいまだに俺が苦手らしい。





司にはいつも甘えてるのに、俺にはいつも挑戦的だ。




愛子ママが生きていたら、龍聖に関わるなって、怒られそうだ。