擬似彼氏屋、営業中




「家族は何もしなかったの?」

「父も母も共働きで忙しくて」

「兄弟とか姉妹とかは?」

「いえ、一人っ子だったので。でもおばあちゃんがいつもお見舞いに来てくれました」

「……へぇ」

「でも二年前に死んでしまって………」



まただ………。
何とかならねぇの?
このどんよりした空気。

しょうがねぇな…。



「あ、アイス!」

「へ?……ああっ!溶けてる!」



俺のトークスキルに感謝しろよな。