思わず、ちょっと顔をそらした。 う、うぶではない、うん。 パチッ ――その時、同じように顔をそらしちゃった“アイツ”と、目が合ったんだ。 このとき初めて、アイツをはっきり認識した。 アイツの世界に…私が。 私の世界に…アイツが。 現れたんだ…。 「はは。」 「えへ。」 なんとも気まずくって、すぐそらしちゃった視線。 でも…切れ長の印象強い瞳が、しばらく頭の隅にちらついてた。