「え…」


「といっても、もうほとんど固まっている話ですけどね。」


そういって王子が頭をかく。


「でも、正式にちゃんと言っておきたかったんです。」


「……………」


「受け取ってもらえませんか?」


私に指輪を差し出す。


これを受け取れば私は絶対王子と結婚しなければならないだろう。


「僕と…結婚してください。」


「……はい。」


私たちは微笑みあった。


その笑顔に罪悪感が芽生えたのは気のせいだろうか――