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「………」


「おい、機嫌なおせよ!」


「………」


「おい!アンヌ!」


「………」


「おい!……あ、あれ見てみろ!!」


「え?」


いきなり違うことを言われてぱっと顔を上げてしまった。


「……すごい……」


眼下にはとても綺麗な夜景が広がっていた。


「綺麗だろ?」


「うん…」


さっきまで怒っていたことも忘れて私は景色に見入っていた。


「これにちょっと俺が手を加えると…」


そういいながら杖を取り出すレオを見る。


「フルシヨホル!」


レオが杖を振り上げ叫ぶ。


すると……


「…うわぁ……」


私は思わず感嘆の声をあげた。


頭上に流星群が降り注いでいる。


それが夜景とかさなり、声もでないほどの美しい。


「…俺からのプレゼント。」


「え?」


思わず目線をレオに戻す。


「なんで?」


「…理由は聞くな……」


「え?気になる!!」


「絶対いわねえから。」


「ケチ!」


「ケチで結構!…この景色目に焼きつけとかなくていいのか?もうすぐ終わるぞ。」


「え!分かった…」


何かが納得できないがもう一度、しっかり景色をながめる。


「レオ」


「ん?」


「…ありがとう。」


「……別に…」


ぶっきらぼうに答えるレオだったが、どことなく嬉しそうだった。