「ふーん、前にあったときより随分いいもの着てるな。」


着替えおわった私をみて嫌味ったらしくレオが言う。


「なに?嫌味?」


「そ。嫌味。」


「はあ?意味わかんない。」


本当に意味がわからない。


いきなり現れて、いきなり着替えろといわれて、いきなり嫌味を言われて。


「あんたなにがしたいわけ?」


「デート。」


「は?」


レオの言葉に私は固まる。


「今なんて?」


「だーかーら、デート。」


そういいながらレオは私の手を引き、窓へ向かった。


「さあお嬢様。夜の旅へお連れいたしましょう。」


私に手を差し出す。


「……似合わない……」


バコンッ


「いったー!何すんのよ!!」


「似合わないとはなんだ!!人がせっかく、王子様風にしてやったのに!」


「だからそれが似合わないの!」


「はあ…とりあえず行くぞ。」


そういってレオは杖を取り出し呪文を唱えた。


「アブラカタブラ!」


すると、ぼわんっと煙がおこり、窓の外に魔法のじゅうたんが現れた。


「……お話違うくない?」


「細かいことはきにすんな。いくぞ!」


「いや、細かくないと思う。」


ツッコミながらも私はレオに手をひかれ魔法のじゅうたんに乗った。


(あ…私レオのペースに流されてる…)


そんなことを思ったが悔しいので口には出さなかった。