ドアをあける。


「バルト家でお間違いないですか?」


大臣らしき方が私に聞く。


「はい。」


「我々は、国の者です。ガラスの靴の持ち主を探しにまいりました。」


「存じております。どうぞ中へ。」


大臣たちの真ん中に王子がいた。
私は一行をリビングにまねいた。


「お母様。いらっしゃいました。」


王子がきたときはお母さんのこともおねえちゃんのことも様付けにしろといわれている。


「ええ、ありがとう。シン…アンヌ。」


どうやらシンデレラといいそうになったようだ。
さすがに一国の王子の前で灰かぶり娘なんて意味の言葉使うわけないか。


私は、一礼してキッチンにむかった。
トレーの上に、人数分のコップと紅茶の入ったポット、お茶菓子をのせてリビングに戻った。