じんじんしていた足が治った頃、私はふと思った。


「さっき、叫んでたのって呪文?」


「そ。呪文。」


常識だろ?という顔で見られた私は、なぜか悔しくなり足元をみた。


「あ…」


「どうしたんだ?」


「私、ドレスもってない…」


私の言葉にポンと手をうち、レオはもう一度、今度は私にむけて杖を振り上げた。


「ブスドブス!」


その瞬間、煙に包まれた私が目をあけると…


「かわいい!!」


綺麗なドレスに身をつつんでいた。
淡い水色のドレスで、髪も綺麗にあげられていた。


「孫にも衣装だな…」


バシッ


私は、おもいっきりレオをたたいた。


「ひど!!確かにそうだけど…それが乙女にいう台詞!?ていうか、さっきの呪文はなに!?」


「え、ブスをかわいくみせる魔法の呪文。…いだだだだ!嘘だよ!」


私に足をふまれた(さっきのお返しだ)レオは、うずくまりながら言った。


「……可愛いやつが、さらに可愛くみえる魔法ドレスver.」


お互い、少し頬が赤いのは気のせいではないだろう。


「じゃ、いくぞ!!」


はずかしかったのか、レオはいつもより大きな声でいいながら立ち上がった。