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「おっす仁」
「おー、おはよ」
次の日。
クラスのヤツと玄関で会い、話しながら教室に行っていた。
「あ、そういえばさあ!
お前昨日何してたんだよ?」
「何…って、掃除だけど?」
俺が平然と答えると、そいつはゲラゲラと笑い出した。
「はあ!?何言ってんだよお前!!
一人で腰抜かして転んでたじゃーん!!」
その瞬間、俺の顔がボッと赤くなる。
「なっ…見てたのかよ!?あれはだなあっ…!!」
あれ…一人?
コイツ今、一人って言ったよな?
「なあ…隣にもう一人、女の子いただろ?」
「何言ってんの?お前一人だったじゃん」
じゃあ…じゃあ、有菜は?俺の見間違え?
そんなワケない。
だって掃除手伝ってもらったし…ちゃんと触れることだって出来た。
彼女は―――有菜は、何者なんだ?

![[新連載]君への想い、僕らの距離。](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.778/img/book/genre1.png)