初めて有菜に逢った日から3週間。
もうすぐで、1ヵ月が経とうとしていた。
あれから毎日、有菜と会って、話して…
俺の毎日は、すごく充実していたんだ。
有菜はいつも、同じ笑顔で俺を迎えてくれていた。
そして今日も――…掃除を終えて家に帰ろうとしていた。
そんな時、俺はある事実を知ったんだ。
『ニュースをお伝えします。
先月起こった、女子高生殺人事件の容疑者を、本日逮捕しました。
被害者は、藤本有菜さん(16)
都内の高校生です。
その日は―――――…』
学校から帰っている途中の電気屋のショーウィンドウのテレビからは、そんなニュースが聞こえていた。
先月の殺人事件、か…
俺はそんな事を軽く思いながら、何となくテレビの画面を見た。
でもそこには…
「有…菜…?」

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