とある男女のそれぞれの場合。

「そっちが顔近づけて
来たんだろうが」


「し、知らない!」


あんまりな言いがかりじゃないか。
本当何なんだこいつ。 いや稲木。


溜め息を吐きながら表をしまうと、また
腕がつつかれた。


「あの、その、だから、あたし。
勉強教えて欲しいんだけど・・」


「脈絡なさすぎだろう」




――まあ、俺自身も悪い気はしないから
いい。  とは、口に出しはしない。