「人に精霊が生まれぬわけじゃ」
光の精霊が苦々しく発言する。
一万年ほどで人間は著しく進歩した。
その間に国家が形成され、国同士で無数の争いが生まれた。
「なんという嘆かわしい事態じゃ」
光の精霊は途方に暮れる。
「人間は争うのが楽しいのでしょうか」
森の精霊が悲しそうにぽつんと呟いた。
「そうとしか思えぬ…」
闇の精霊が厳しい顔で答える。
「それだけてはありません、人の影響が凄くて私は汚される一方です」
海の精霊が怒りをあらわにした。
「人間は無駄に僕たちを殺しこのままでは絶滅する動物が爆発的に増えると思います」
動物たちの精霊も虫の精霊も森の精霊も皆危機感を募らせている。


そんな中、ついに大事件が勃発した。