「知ってるよ…俺がお前に教えたんだから」


三船に言われたんだっけ…


「だったら、大丈夫だろ?
きっと30歳手前でもう一度やってくるって!」

「来ないよ…」

「なんで?」


俺が聞くと、三船はチラッと顔を見てため息をついた


「幼稚園時代、小学生5年、高校野球部時代」

「は?」

「俺のモテ期が到来したヤツ…」


可哀そう…としか、俺は思ってやれなかった
だって…もうモテ期が3回到来してるだなんて


ポンポンと肩に手を置いて、無言で三船をなだめると
ポケットに入っていた飴玉をひとつ取り出した


「あげる…」