どちらかと言うと、牛乳は好きだった
何が美味しいとかじゃないけど
友達と競い合って飲み合うのが楽しくて、いつも給食で出た牛乳は
ちゃんとしっかり飲んでいた
小学5年だったかな?
それまで飲めていた
友達と女の子が、俺の隣で喧嘩したときに
牛乳を頭からぶっかけられたことがある
お気に入りの服にしみついた牛乳のニオイ
そのニオイがもう忘れられなくなって以来、俺は牛乳が飲めなくなった
何度臭っても、イヤな臭いだな
暖めた牛乳が嫌いなのは、
洗濯すればニオイが落ちると思っていたのに
洗濯し終わった服を臭ったとき
まだ少し温かい服から臭った牛乳のにおいに
俺はその時嘔吐をしたのだ
「嫌いなの?」
せかすように言うハナの言葉に
また違うことを思い出した

