――聡史へ――
この手紙が聡史の手元に届いてしまったのなら少し寂しいな
この手紙は”もしもの場合用”だったのに…
言葉で伝えたかったのに
あの日聡史から離れたのは
本当は誰かを追いかけたとかそんなんじゃないの
どうしても聡史から
離れないといけない理由があった
それはね、
聡史に私が恋をしていたから
聡史は私にとってダイヤモンドダストだった
離れたのは、自分が死ぬことに怖くてじゃないよ
聡史に悲しい思いをさせたくなかったの
メイちゃんが死んだときの、
聡史の顔のあの悲しそうな顔を
もう一度見たくなかった
それ以上に、もう一度あんな顔をさせたくなかった
私にできることは
聡史から離れることだった
だけど、どうしても死ぬ前に一度会いたかった
会って伝えたかった
好きって
言えなかったけど

