それでも世界はまわる

「うん・・・ごめんね。いろいろあって・・・。
 でもりおん君が慰めてくれるなんて思わんかった・・・」

その後美佳はひたすら泣いていた。
りおんも初めは焦ってばかりいたが、学校ではまずいと判断したのか、すぐ近くのこの河原に導いてくれた。
この場所は道路からは死角だ。

二人で歩いている時、美佳の目にはいつもより大きく、しかしフィルターがかかったようなりおんが映っていた。

「や、だって普通に焦るしね・・・。
 それに正直言うと、見た目慎吾じゃけぇあんまり抵抗なかったし。
 ・・・何があったか言えん? 僕でも話聞くくらいは、できるんよ」

どうしてこうみんな優しいのだろう。

また目頭が熱くなってきた。