「用って何?」

「あのね・・・し、慎吾くん・・・わ、私・・・」

「だーめっ、やり直し!
 りーちゃん緊張しすぎだよー。台詞ちゃんと言えてないし」

「しょうがないじゃん、慎吾くんなんだけぇ・・・。
 美佳って分かってはいるけど、緊張しちゃう・・・」

「じゃあ慣れだね、理沙さん」

そのまましばらく練習は続いたが、結局美佳の合格は出ないままお開きとなった。

少し肌寒い夕暮れの公園を、二人は並び歩いて後にした。

途中で天気予報通りに雨が降ってきたので、二人は理沙のそれで相合傘をしながら家路に着いた。