もやもやとした感情が湧き上がり、足の赴くままにひたすらに背中を追い掛ける。
気配を消すのは神姫の時からで上手いからか、三人にはバレていない。
漸く三人が足を止め、そっと隠れる。
「お兄さん格好いいよね!」
「ねえねえ、遊ぼうよお姉さん達とさ!」
「……あっ!もしかして雷神の昴君!?」
「えぇーっ!通りで格好いいんだ!」
昴の言葉など聞かずに喋り続ける二人に、あたしのもやもやは募るばかり。
(……何であしらわないの、)
ムッとして心の中で呟くも、その場から動かずに聞き耳をたてる。
(こんなの、良くないよね)
聞き耳をたてる自分を冷静に考え、やはりもと居た場所に戻ろうと腰をあげる。
その時、
「……別にいいよ」
聞き慣れた、大好きな声で吐かれた言葉に思わず耳を疑った。
それと同時に底知れぬ怒りが湧いてきた。
戻ろうとした足を止めればくるりと踵を返し昴の方へと向かう。
未だに気付いてない女二人は昴の言葉に舞い上がりきゃっきゃっと手を叩いて喜んでいる。
そして昴の腕に手が伸ばされた瞬間
「きゃっ!」
その女の手を思い切り掴み振り落とす。
「あんた何!今忙しいのよ!」
ぎゃんぎゃんと煩く喚き散らす女二人を無視して、髪を思い切り掴む。
「痛っっ!」
顔を歪めて必死に藻掻く女を見下ろし薄く微笑む。


