私が14歳になり、母はおかしなことを言い始めた。
街の皆は誰も母の言葉を信じるものはいなかった。父を除いた私と12歳と6歳の弟だけが母の味方だった。
毎日、同じことを聞かされた。聞いている私も半信半疑ではあったが、空想のものが大好きな私は夢中で聞いていた。

 何時しか母は「魔女」と呼ばれ、私達兄弟も「魔女の子供」と呼ばれ・・・
街を歩けば大人はヒソヒソと内緒話、子供は石を投げていじめてくる。そんな日々が続いた。



 ある時、母は街の権力者の事を「あの人は危険だ。信用してはいけない」と皆に言った。
その事が権力者に伝わって、母に腹を立てた権力者は母を罪人に仕立て上げた。
母は否定したが、街の皆は母は嘘つきだと思っているので権力者の言うことしか信じなかった。
魔女だからと火破りにされてもがき苦しみながら亡くなっていった。


15歳の10月だ。