桜色の底




誰もいない、教室の隅で泣いた。


もう、早めに砂糖になるべきだったんだ。


そしたら、コンクールで流した先生の涙で
柔らかく、甘く、溶けていけたのに。




幸せで、いれたのに。




「いたいた、西尾さん、大丈夫?泣くほど痛いの?」


吉田先生は心配そうに私に、私だけに視線を向けた。




桜色のなかに落ちて行く気がした。




「なんで、来たんですか…」

「もう、合奏終わったからね。早退する?」

「…しません」