「なぁ、しの…?」
たべものもスープも喉を通らない。
「あのさぁ」
目を合わせられない。
「し」
の
名前は続かない。
「結局れいくんと2人で遊んじゃったなぁ」
顔をあげる。
「早く食べて出ようよ。私、いつもの公園行きたいな」
「あ…あぁ、わかった。いいよ、行こう」
しのは、にこっと笑った。
そして、急いでくちに詰めたのか、口の周りにご飯粒がついている。
しょうもない。
「しの」
名前を呼んだ。
「ん~?」
顔を上げる。
「米」
そういって人差し指で米をとる。
ほれ、って差し出すとしのはバッグからティッシュをとりだし、さっと拭き取った。
「ああ~恥ずかしいなぁ」
ほんとに恥ずかしがってんのか。
途中まで、ほんと、なんていうか、端から見たら恋人~って感じだったのに。
あぁ~ほんと、もう。


