【長編】雨とチョコレート



そう思うがはやいか。



携帯画面に着信の文字。



しのに断って、店の外に出る。




「神崎、お前らどこにいんだよ」



『あぁ~、なんかほら、いい感じだったから、もう帰ろうかって帰ってる途中』



「はぁ?」



『なんかしのちゃんが普段より俄然楽しそうだからさぁって、なぁ?』



神崎はそう言って、俺には見えない、隣にいるだろう彼女にきいた。



『お前らはいつまでいんの?』


「…もう帰る。4人で写真とるっていったくせに、こねぇならいいだろ」


溜め息混じりにそういうと、奥からも溜め息が聞こえた。



わかってないねぇ~








なんだよ。
なにが言いてぇんだよ。