「・・・そういえば、寺が敬語使うようなったのあれからだよな?」 畳の上に大の字になる。 あぐらをかいた奥寺は、情けない目を伏せた。 「私のせいで、坊が幼稚園に通えなくなったようなもんですからね。 『やられたら』・・・」 懐かしい言葉。 「『やりかえせ』か・・・」 奥寺のこのコトバに続いて完成されたあの名ゼリフは、以来、聞かなくなった。 「いまだに、なんで殴ったか覚えてないんですか?」 「うん・・・」 「ま、いいですけど」 じゃあ、いうな、って、笑った。