【長編】雨とチョコレート



「武明叔父さんの婚約者って・・・・先生だったの・・・・?」


しのは、信じられない!というように両手で自分の頬を挟んでる。


「え?え、え?
じゃあ、先生ってあたしの叔母さんになるの?」

「そーなるかな」


「え、じゃあ、あたしばっかり指名してたのは・・・」


「それはあれだ。
八つ当たりという名の職権乱用」

「そんなぁ・・・・恥ずかしいじゃん・・・一人で勘違いして、暴走して・・・・」


あーもう、いや。
信じらんない。

ぶつぶつ言ってる。



「でも、誤解解けてよかった」



あまりに安心しきった俺は、うっかり本音を漏らした。

この言葉、捉え方によっては・・・いや、鋭かったら俺の気持ちがばれる。