手をつなぐのなんて小学校低学年以来だったかもしれない。
手を握られた、と分かった瞬間、しのは顔をはっと上げてあわて始めた。
それから無理やり手を離そうとする。
俺は、離れないように腕をつかみなおした。
「こんなの見つかったら、またゆり先生に・・・・!
わたし・・・・・!!」
「それが、勘違いだったんだって!」
「へ?」
相当混乱してる。
俺だってゆりぴょんに話を聞いたときは驚いた。
だけど、いつまでも混乱させてるわけにはいかない。
落ち着いて話せるように、俺は深く呼吸をした。
「ゆりぴょんって婚約者がいるんだよ」
しのの目が、点になった。
「・・・・噂は・・・・? 先生が、生徒を好きだっていう・・・」
「あれは、あくまで噂だった・・・」
「確認したの?」
「したよ」
「どうやって・・・」
「ゆりぴょんに訊いた」
「・・・・証拠ないじゃん」
・・・・・・しのってこんなに頑固だった?
俺が知らなかっただけ?


