教室に入るとすぐに自分のもとにしのが駆け寄ってきて、神埼が不思議そうな顔をする。 しのは俺と神崎におはようと言って、俺もそれに答えたけど、神崎はひとりきょとんとしていた。 「そういえば、今日、一緒じゃないんだな」 あぁ、そのことか。 確かに、今朝、しのと俺は別々に登校した。 付き合ってからは約束して一緒に登校していたから珍しかったんだろう。 「しのが、今日は別でって言うから」 昨日の電話のことを思い出して、少しふてくされる。