【長編】雨とチョコレート



あれからしばらくして、2回検査をして、結果をもらって。

その間も毎日のようにしのは見舞いに来てくれて。

たまに神埼と岬も連れてきて。

課外授業で配ったプリントとか、模試のコピーとか、大学の過去問とかをこまめに持ってきてくれて。


学校にも行けず、家にも帰れない俺のために、授業が終わると病院へ来て一緒に勉強する日もあった。






「夏休み、充実してたんだな、お前」


夏休み明け1日目の朝7:40の通学路。

欠伸をしながら神崎が首を鳴らす。


「俺とあきなんてデートもちょっとしかできなかったのに」

「ちょっとでも十分だろ」

「お前なんか毎日じゃないか」

「・・・見舞いだろ、見舞い」

「なんにしても幸せそうで何より」


なんとか退院することができた俺は、夏休み中に出された課題(入院中にゆりぴょんがわざわざかき集めて持ってきた)も入院しながらなんとかこなし、受験勉強もやるだけやることができた。