【長編】雨とチョコレート



「「・・・・・・」」


俺の一言で沈黙を作ってしまった。

進路のことなんて、何も考えてなかった。

進路なんて、進む路なんて、俺には親の跡を継ぐことしか残ってないんじゃないだろうか。


「・・・もし、大学進学っていう選択肢があるなら」


突如、変な不安に襲われた。


「入院してる場合じゃないよな・・」


うちの親が、行かせてくれるとは思えなかった。

もう8月。


さっさと退院してしまわないといけないな・・・。