【長編】雨とチョコレート


教室をそっとのぞくと、俺の席に座って携帯をカチカチいじるしのがいた。

つまらなそうに口を結んでる。


「し~の?」


ひょこっと扉から顔を出す。


声に気づいてか、表情がパアっと明るくなる。


「れい君!」

「待たせてごめんな」


しのは首を横に振って、いじっていた携帯を閉じた。

そして、まるで犬のように駆け寄ってきた。


「保健室行こうと思ってたんだけど、あきちゃんに止められたの」