【長編】雨とチョコレート



だけど、まるで返事をするみたいに手をぎゅっと握り返してくれて、それが嬉しくて、うっかり顔がほころぶ。



最初はあった些細な抵抗も、あっというまになくなって、腕をひく自分の手からも力は抜けていった。











二人で来たのは屋上。



見よう見まねで鍵をほじくり回したら開いたんだ。

後ろから「犯罪だよ」って聞こえた。


「知ってる」


階段に響く、俺たちの小さな笑い声。