「とおのさんはどおしたんですか」 後ろから椅子の背をコンコンとしつこく叩かれる。 振り向くと、いかにも不機嫌そうな岬がいた。 「なんにもない。俺、しの一筋だから」 「あのさ、決意固めたとこ悪いんだけどさ」 岬が肩肘ついてだるそうに言う。 「真山君はさ、あたしよりも長くしのと一緒にいんだからさ、もっとあの子のこと分かってあげてよ?」 性格も性質も、全部含めてさ。 岬はそれだけ言うと、携帯をカチカチといじり始めた。