【長編】雨とチョコレート



「し~の、」


すれ違いに、至って自然に声をかける。

それでも立ち止まる様子が見られないから、さすがにちょっとだけ気落ちしたけど、仕方ない。



俺は間髪いれずに、しのの頭を空いてる左手で鷲掴みした。




わしゃわしゃわしゃ




ぐっしゃぐしゃに、なでた。




「…………!」


頑張って、俺を睨みつける。

今はそれすら懐かしい。


「おはよ、しの」


前みたいに微笑みかけた。