【長編】雨とチョコレート



「お前がそんな奴だったとはな」

掴まれた肩の痛みが増す。

だが、俺はその手を振り払う。

それから、真っ直ぐに神崎を見据えてきっぱりと言い切った。


「遠野とはなんでもない……俺、やっぱりしのが好きだからさ」



言い切る俺を見て、神崎は拍子抜けしたようだったけど、すぐに口元に笑みを浮かべて、俺の頭をくしゃくしゃにした。


「やっぱりってなんだよ」


ハハハッと廊下に響く。