【長編】雨とチョコレート



ぼーっと宙を見る。

やっぱり、俺はしのが好きなんだ。

一方的ではあっても、いくら虚しくても、それは変わらない。


「そんな顔しないでよ」


どれほど情けない顔をしていたんだろう。

いつのまにか起き上がった遠野が、悲しそうな顔で俺を見ていた。


「私じゃ、だめなんだよね」


「え」