【長編】雨とチョコレート



水泳やってんだろうな。
水の音と、人がキャーキャー騒ぐ声がする。


俺もプール入りてぇ。
変な意味じゃなく。
さっぱりしてぇ…。


そんなこと考えながら、なかなか吹かない風に当たってると、頭上で声がした。


「真山君、このタオル使って」


髪をてっぺんで団子にして、目の大きい女の子。

差し出されたのは、俺には似合わないような、キティちゃんのタオル。


「汗拭かないと、風邪引くよ」


彼女はそういってはにかんだ。


「遠野、だっけ…。ありがと」


タオルを借りて、首にかける。
そうして、流れる汗をこまめに拭く。