「あめーよ!!」
シュートに持ってったボールをバシッとはじかれる。
俺はあっと言う間に息があがってるのに(体力ないからなんだけど)、神崎は容赦ない。
転がったボールを、クラスメートが拾った。
「手加減、しろよ…」
額から、顔から、体から噴き出す汗をTシャツで拭う。
「集中しろよ」
口調が、きつい。
コートを見回すと、いつの間にか人がポロポロ集まってきてる。
「よそ見すんなよ、真山」
いつもよりも数段低い声で言われた。
ボールを拾ったクラスメートに手をちょいちょいと揺らしてボールを投げるように促す。
「1本入れたら、終わりにすんべ」
神崎がにこやかになる。


