【長編】雨とチョコレート



「だけど、やっぱり、よくわかんない」


「なにが?」


「私、れいくんとそういうことするなんて、考えられないもん」




うん。



「そういうこと、したいって思うんでしょ?」




………うん、


「いずれは、だけど」




「無理だよ。怖いもん。耐えらんない」





しのの表情が、一気に暗く落ち込んで、そこにタイミングがいいのか悪いのか、寺から電話がかかってきて、俺はしのの家から出て行った。