【長編】雨とチョコレート



「つき合ってから、漫画読んだり、本読んだり、あきちゃんに話聞いたりして、恋人になったらどうするか私なりに勉強したの」


しのは俺の視線には気づかない。
さっきの言葉に、自惚れてもいいんだろうか。


「でも、一緒に帰ったり、家に遊びに行ったり、そんなの9年もしてきたでしょ」


当たり前すぎて、変化がないんだ。


「あと、…うん、キスとか…そういうのもあるでしょ?」


急に照れ始めた。
赤くなったしのを見て、なんだか俺も急に恥ずかしくなって、目線をずらした。