「れいくんが、私のこと好きって言ってくれて、嬉しかった」 ソファに座って、指を開いたり閉じたりするしの。 「私も好きだった」 相づちを打ち続ける俺。 「でも、漫画とかドラマとかでつき合っちゃうような『好き』って、私まだなの。そういう感覚わからない」 恋を知らないの。 と、俯く。 俺はその場に座り込む。 そして、また、相づち。 「れいくんが、いるから、彼氏とか欲しいって、思ってなかった」 うん? 「しの…」 勢いよく、振り返る。