【長編】雨とチョコレート



俺は寺にメールをいれる。
携帯のボタンを押す、カタカタという音しかしない。



「あのね、れいくん」


先に沈黙を破ったのは、しのだった。


「この間のこと、なんだけどね」


「聞かなくていい」


「なんで?」


「俺が、つらいから」


身勝手だな、俺。


「……わたし、よくわかんないの」


「なにが」


「つき合うって、よくわかんないの」



だから、考えてたの、
1ヶ月、
ずうっと。