「か……」
叫ぼうとすると、神崎は自分の人差し指を口に当てた。
俺もとっさに両手を口にあてた。
「え?俺ね、今自習だからさ、サボってんの」
こいつ、当たり前のように嘘をつく。
普通に授業中だっつーの!
騙されんなよ!
「真山?そうそう、その真山なんだけど、」
会話に俺の名前が出る。
神崎と目があった。
けど、すぐに別なとこに視線が移って、また会話は続く。
「うん、なんか近寄りがたくってさぁ、今日」
だからちょっかい出せてないんだよね。
笑う。
「しのちゃんならなんか知ってないかな~と思ったんだよね。それで電話したの……メール?あ~ごめん、俺ね、あんまりメール得意じゃないんだわ」
神崎としのの電話はまだ続く。
まだまだまだ続く。


