【長編】雨とチョコレート



「なんで寺は、俺の目がしののせいだってわかった?」


車にのりこんで、シートベルトをしながら尋ねる。


家の門から出るのにウィンカーをあげながら、答える。


「顔見たらわかります」

詳しいことはわかりませんけど。



ふざけたように笑う。


その笑いに、少し救われる。



そして、車中には沈黙が流れる。


学校の近くで、黒のセダンを停めて、俺はさんきゅーって言う。


その降り際、


「詳しいことは自分からは聞きませんよ。言いたくなったら言いなさい」


寺の手が俺の頭を2、3回触れた。



いってらっしゃい、



そんな言葉を残して、車は走り去った。



優しくされると、泣きたくなる。