「れ、」


しのの目はまっすぐ俺を見たかと思うと、すぐ臥せられた。



「れいくん、の、好きは、そっちの、好き、だったの……?」



ほかになにがあんだよ!



「あぁ…あぁあ、あぁ………」



しのの声は、【あ】が何度も上下して、俺の不安をかきたてる。





あんなに勇気を出して、って感じじゃないけど

ムードとかそういうのは微塵もなかったけど


だけど、俺は自然と9年の思いをつげることができて。



自然に、いえたわけで。