あと1㎝。




触れるか触れないかの近すぎる距離。




「ふっ、だよな。」




ごめん。そう言って離れた麗の顔は今まで見たことがないくらい切なかった。




自分で拒んでおいて、より一層重くなった私の心。




自分でもどうしたいのかわからない。




だけど、帰りのバイクに乗っている間私は




麗の背中にピッタリとくっついて、頭を背中に預けた。




お腹に回した腕もしっかりとくっついていて




右手でギュッと麗のYシャツを握りしめていた。