「おい。お前俺の神聖な場所でそんな顔してんなよな。」
どう見ても不機嫌な勇吹が目の前で仁王立ちしている。
上を見上げると太陽に照らされて眩しい
「だって~…」
学校のサッカー部の練習場所であるこの場所に今は私と勇吹だけ。
今日は部は休みで自主練をしているだろうサッカー少年に会いに来たらやっぱりいた。
「だってもくそもねぇ。」
サッカーボールを器用に操る勇吹が石段に座る私を見下ろす。
「まぁまぁ。そんな事言わずにさっ。差し入れ持って来たし。」
ペットボトルのお茶を渡すと奪い取って汗を拭きながら横に座った。
「っで?」
「っで?って何!?」
「何かあったのかって聞いてやってんだよ。馬鹿女。」
怪訝そうにそう言った勇吹。
