麗に連れ去られる莉緒を見て、それを複雑な思いで見ていた俺。 麗のためにも莉緒のためにも、この瞬間を待ち望んでいたはずなのに、 肝心な俺の気持ちは全く晴れない。 こんなにも近くにいるのに、手を伸ばせば届くのに、こんなにも遠く感じてしまう。 俺はそんな2人をじっと見つめることしかできなかった。 いつもの俺なら「なになに?」って興味津々に2人の間に入っていただろう。 でも…できなかった。