何か言いたい事があるのに、言えなくて…そんな表情。
周りのヤツらというと、修羅場とも言えるこの状況をじっと見入っている。
そりゃまぁ無理もないわな。
「あたしは……」
こっちもなかなか切り出せない様子。
その時、
「ちょっとこっち…」
「ちょっ…と!!」
勢いよく立ち上がった麗がギュッと腕を掴んでドアに向かって歩いて行こうとする。
「ぃ…や…離してっ!!」
手を思いっきり振ろうと必死にもがいてるけど全く意味がないだろう。
クラス中が緊迫感に満ちてるというのに、ただ1人俺だけはそれをやっとか…と軽く笑みを漏らし、再び眠りに着いた。
