「あたしは……」
周りはすっかり静かになって私達を見つめている。
まるで私達だけの空間のよう。
今まで見た事ないくらい真剣な顔したヤツに少したじろいだけど、私ももう口に出さなきゃ気がすまない。
その時、
「ちょっとこっち…」
「ちょっ…と!!」
勢いよく立ち上がったヤツがギュッと腕を掴んでドアに向かって歩いて行こうとする。
「ぃ…や…離してっ!!」
手を思いっきり振ろうとしたけど全く動かない。
みんなもやや心配気な様子。
引きずるように連れられながら教室を出るとドアの横にいた調度朝練から帰って来た勇吹と目が一瞬合う。
