とある春。今、俺は高校性になる!!
しかも入学する高校は、
可愛い女の子が多いと
有名な神舞高等学校!!


「……夢みたいだ」


だけど、夢じゃない。


少年は、その喜びをかみしめるべく、
もう一度鏡の前に立った。
ごく普通の学ラン、に見えなくもないが
ところどころにセンスの良さが光る(気がする)
神舞高等学校の制服をながめ
ニヤリ、と笑った。

「~~っ!!中3の間ずっと勉強しててよかったぁー!!!」

青春真っただ中の中学3年生の大事な時間を
神高に通うためだけに勉強し続けたのである。
その喜びは、とても大きかった。

少年は、ふと時計を見た。
さしていた時刻は――8時。

「うっわ!!遅刻しちまう!!」

鞄の中に携帯電話を乱暴につっこみ、
部屋から飛び出た。
希望に満ち溢れた笑顔で。


……だが、少年はわかっていなかった。
これからの高校生活が、
理想していたものと大きく異なることを―――。